FIDO(ファイド)による新しい個人認証の形

ユーザーの個人認証には様々な方法がありますが、ごく一般的なのはメールアドレス(ユーザーID)とパスワードによる認証方法です。YahooやGoogleをはじめ、銀行などの様々なサービスでIDとパスワードによる認証方法がとられています。

けれども、ネット上に様々なサービスが登場している状況のなか、それぞれにユーザーIDとパスワードを覚えておくのは困難になってきております。パスワードの使い回しによる個人情報の流出などが相次いでいるなか、よりシンプルで簡単な個人認証の方法が模索されており、最近では生体認証を用いた方法も登場してきています。

上記のユーザーIDとパスワードによるものは記憶認証といわれていますが、ほかにも宅配便の受け取りの際に押す印鑑の物的認証、サインや署名による筆跡認証、あるいは運転免許証など顔写真で判断する生体認証などがあります。

このうち、現在、注目を集めているのが生体認証になりますが、この個人の生体による認証方法には、ほかにも指紋や声紋、あるいは目の虹彩(こうさい)認証や静脈認証などがあり、特に指紋認証については既にiPhone 5Sから採用されている技術です。

現在はまだまだ普及してはおりませんが、公官庁などでは既に生体認証を採用しているケースも出てきており、今後数年のうちに急速に普及していくものと予測されています。応用される分野は幅が広く、特に、銀行口座などの金融分野では不正ログインによる送金防止に役立つことが期待されています。

このパスワード認証にかわる新しい仕様がFIDO(Fast IDentity Online Alliance)と呼ばれていますが、非営利団体であるFIDO Allianceが標準化に取り組んでいます。

具体的に、このFIDOを採用しているサービスはほとんどないですが、ドコモの機種などでは1部で対応しているケースもあり、docomo IDログインやケータイ払いに対応しています。この場合でも、今のところはIDとパスワードによるログインが併用の形になっているようです。