なぜwi-fiをオンにするだけでGPSの精度が上がるのか?

GPSは「グローバル・ポジショニング・システム」の略省ですが、衛星を使って位置情報を把握するためのアメリカの技術のことを指しています。

人工衛星には、気象衛星や放送衛星、科学衛星などさまざまな種類があり、現在のところ周回中の衛星は3,500個以上あるといわれておりますが、このうちGPS衛星については、アメリカが32個、その他の国のものを含めても約76個程度といわれています。

このGPSが身近になったのは、スマホゲームの「ポケモンGO」による影響が大きいものと思われます。ポケモンGOが大ヒットした理由のひとつに、Googleマップなどを使用した位置情報の要素がゲームに取り入れられた点が大きく、現実世界とゲームがリンクした点が斬新といえるでしょう。

このゲーム中、しばしば「GPSの信号をさがしています」と表示されますので、「GPSって何だろう?」と疑問を持つようになった人も多いようです。また、wifiをオンにするとより正確な位置情報を得ることができますが、このあたりの仕組みについても興味を抱くようになった人が多いかもしれません。

このGPSの仕組みについてですが、GPS衛星には極めて精度の高い原子時計が搭載されてますので、衛星から電波を発信した時刻と受信した時刻の差がわかります。そして、その時間の差と電波の進む距離を元に計算して位置情報を割り出す仕組みになっています。

例えば、電波を発信してから到着するまでに10秒かかったとして、電波が1秒間に進む距離が1kmとすれば、衛星からの距離は10kmということになります。なので、GPS衛星から半径10kmの球体上のどこかに受信機の端末があると割り出せます。

さらに、このGPS衛星を3つ使用すれば3つの球体ができますが、この3つの球体の重なる地点が受信した位置ということになるわけです。実際には精度を高めるために4個以上が使われていますが、このような仕組みで位置情報が把握されています。

けれども、衛星からの信号については、天気が悪い時や周囲にビルなどの障害物がある場合は正確に機能しません。また、本来の性能では数センチ程度の誤差しかありませんが、軍事目的以外での使用については悪用されるのを防ぐため、10m程度の誤差が含まれているといわれています。

ただ、wi-fiをオンにすることにより、地上のアクセスポイントとの間での位置情報も利用できるため、GPS衛星とwifiの情報と組み合わせることでより精度の高い位置情報を得ることができます。

このwi-fiについては、実際に接続していなくても単にオンにしているだけで位置情報を利用することができます。この理由については、ここからはあくまで主観にはなりますが、wifiに接続するにはパスワードの入力を求められますので、この時点ですでにアクセスポイントとの交信自体はできているため、あえて接続を確立しなくても位置情報は利用できるのだろうと思われます。

ポケモンGOをするときや地図を利用する際などは、とりあえずでもwifiをオンにしておくことをおすすめします。