自分で事業をしている際の目標設定の仕方

自分で事業をやっている場合は、会社の目標を自分で設定しなくてはいけません。

サラリーマンでしたら会社が決めてくれるので、このような悩みはありませんが、自分で事業をしている限りは自分自身で設定する必要があります。この目標設定の仕方ですが、大きな理想を追うのではなく、100%確実に達成できる目標を設定するべきです。

その設定する目標についても、売上なのか、純利益なのか、それとも役員報酬なのかで変わってきますが、私の場合は会社の純利益を積み重ねること、つまり黒字を達成することを目標に設定しています。この会社を黒字にするということは、つまりは税金を払うことと同じ意味でもありますが、会社にお金を残すには毎年黒字にして、こつこつと純利益を積み重ねていくしかないとはずです。
(※参照:https://www.private-business.jp/setuzei/zeikinn-cashe.html

なので、例年、自分の役員報酬額をかなり保守的に見積もっており、決算期には思っていたよりも黒字が多く出る結果になってしまい、最終的には法人税での負担が重くなってしまうパターンが続いています。この場合、目標設定のハードルが低いので、もっと理想を掲げて全力で努力するべきではと思う人もいるかもしれません。

けれども、出来もしない目標や理想を掲げて形骸化しても何の意味もありません。それよりも、小さな目標でも達成することの喜びを味わうことにより、その達成感が次の目標へ向かうためのモチベーションにつながってきます。なので、理想よりも、現実に即した売上目標を掲げることが一番大切なのです。

エジソンがなぜ成功したのかを考えれば、それは小さな成功体験を積み重ねた結果だといわれており、これをそのまま事業に当てはめれば、会社での成功は「黒字」であると私は考えてます。なので、小さいながらも確実に黒字を積み重ねていく方法を私はこれまでにとってきました。

もし、出来もしない売上目標を理想に掲げ、当然のごとくその目標達成に失敗すれば、その分人件費の割合が多くなるので社会保険料の負担が増大します。また、常に失敗ぐせがつくことにより、万年赤字の状態になってしまうと、いつの間にか赤字であることが当たり前の会社になってしまうのです。

そうなれば、いつも赤字なので会社には内部留保がたまらず、いつかは倒産することになるはずです。赤字にすれば、法人税の負担を住民税だけにすることで節税にはなりますが、いつまで経っても会社にはお金がたまらず、いざというときに対応できなくなってしまいます。

実際、出来もしない理想ばかりを掲げる会社に限って、数年程度ですぐに倒産してしまいます。その原因はどこにあるのかというと、その会社の従業員が「今回もやはり達成できなかった。」という負け癖のついた集団に変わってしまうからです。

そして、ここぞという社運をかけた勝負の時、これまでの負け癖が致命傷となって表れてきます。今まで達成できなかったのだから、今回もどうせ達成できないだろうということになり、ここぞという社運をかけた勝負に負けてしまうのです。

一方、常に黒字を達成してきた会社の従業員は、「我々はこれまでいつも目標を達成してきた。」という自信で満ち溢れています。このような常勝集団の場合、かなり無理めのピンチに陥ったときでも、「自分たちならやれる。」という不思議なパワーが発揮されて乗り越えることができるわけです。

思いもかけないチャンスが巡ってきたとき、この小さな成功体験の積み重ねが社運を左右することになります。また、これまでに黒字を積み重ねてきたということは、会社にも内部留保がたまっているわけですので、たとえそのチャンスで失敗したとしても致命傷には至りません。

なので、目標を設定するには、理想は小さく持つことが何よりも大切なのです。