東芝の不適切会計処理は粉飾決算に該当するのか?

東芝の不適切な会計処理が問題になっていますが、その額は1,700億円から2,000億円にのぼるとの報道がなされております。膨大な金額にのぼる点と複数の会計年度に渡っている点から、個人ではなく、上層部による組織的な関与の可能性も強まってきました。

また、まったく実態がないわけではないものの、結果的に利益の水増しになっていることは事実ですので、粉飾決算との見方も出てきています。不適切な会計を元に投資をされた方も多く、株主代表訴訟なども想定されており、それに伴う下方修正や損失なども考えると損失額がどこまで増えるのかに焦点が集まっております。

加えて、正確な決算が出ていないにも関わらず、現在でも上場している状況が前代未聞の事態といえます。投資する際には決算書の把握が大前提であるにも関わらず、その決算書が出されていない以上、投資家は何を基準にして投資すればよいのでしょうか。仮に粉飾決算を免れたとしても、上場している意味がありません。

東証は投資家保護の面から東芝を上場廃止にすべきという声も上がってきておりますが、社会的な影響も懸念されており、東芝ショックが生じる恐れも出てきております。

粉飾認定で上場廃止になった企業にライブドアが有名ですが、東芝の場合、業績のよい部門などもありますので、何も実態のないところから水増ししたようには思えません。また、企業規模を考えても、上場廃止に発展する可能性はよほどのことがない限りないものと思われます。

会社の業績があっぷあっぷの状態だったというよりも、社内の派閥争いで業績をよく見せる必要があったためという印象が強いです。

ただ、株主代表訴訟や資金繰りの悪化による増資などへと発展した場合、株価が暴落する可能性も残されており、東芝ショックが生じる恐れも残されております。